一般人になるまで
「おはよー!!」

佳奈が声をかけてくる
由紀は佳奈の一時間前には学校についているのだが
低血圧の由紀には理解し難い元気のよさである

「ん、おはよ…」

けだるそうな声で挨拶を返せば、ほら!もっと元気よく!と促される

「二人のお姫様、おはようございます」

キザな声が響く
拓人の登場だ

「きゃーッ、拓人くんったらお姫様なんてやめてよね!」

佳奈は、嬉しそうに拓人を小突く
由紀には、小突くというか殴るという動作にしか見えなかったのだが

「いつものメンバーが揃ったところで、本日のデートはどこに行く?」

拓人が昨日のように、提案してきた

「はぁ?今日も行く気なの?」

信じらんないわ
本当に暇人なのね
と罵声を繰り返していたら、いつも通りにケンカになった

「まあまあ、由紀ちゃん行こうよ!どうせ、家には帰らないでしょ?」

「え、なんで知って…」

「ほら、佳奈も言ってるし!デート決定!」


やべッ、ホームルーム始まるから!
と拓人が去っていった

由紀は先ほどの一つの疑問を抱えたままで、授業が開始された

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