一般人になるまで
二人と別れたあと、佳奈は帰路についた

黒猫の頭を撫でたり、通りすがる人に挨拶をしたり、彼女は至って普通のただの女子高生だった

家に玄関を開けようとしたとき、隣から視線を感じる

表札には
『西川』

二十代半ばの男性が家の前を掃除している

「あっ、やっほー!」

佳奈が元気よく挨拶すると、にっこりと笑って挨拶を返してくれる

いいご近所さんだ

「佳奈、最近帰ってくるの遅いから心配してたとこ」

「もー、心配症なんだから!えへへ、友達が出来たんだ!」

「へぇ、佳奈に友達…」

「なにその失礼な顔ー!」

年上にも関わらず、同級生のように話す佳奈に、対して不快感も持たないようで、仲良さげに喋っている

暫く喋ったあと、『西川さん』はまだ話し足りないと言った様子の佳奈を苦笑いで家に入るように促し、自分も家の中に入る
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