2番目でいいから【完結】

1番になれるんじゃないかと思った時

「智恵子先輩は、知ってるんですか?」と聞くと「知ってるよ」と答えた。

智恵子先輩は知ってたのに、私は知らなかった。
つき合いが、短いんだから仕方ない事だけど、悔しかった。
だから、私は、冬哉先輩に「遊びの女の人なんか抱かないで、私を抱いてください。」と言った。

冬哉先輩は「それで、後悔しない?」と言った。
私は、「後悔しません。」と答えた。

そして、その日。
私は、冬哉先輩に、初めて抱かれた。
抱かれて私は、幸せだった。
事が終わってからも、冬哉先輩は、抱きしめてくれていた。

そんな時、冬哉先輩の携帯が振るえた。
電話の着信を知らせていた。
私は、冬哉先輩がどこかに行ってしまうのかと不安になった。
冬哉先輩は着信相手を確かめると「チッ」と舌うちした。
そして、私の肩を抱きしめたまま、電話に出た。
「何か用?」と不愉快に相手に言った。
相手は女性のようだった。
「無理。」
「あなたとは、終わってる。」と言って電話を切った。

私の方を向いて「ああ。遊び相手。」と言った。
この時、私は、冬哉先輩の1番になれるんじゃないかって本気に思った。
< 14 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop