大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
「……私、社長が好きです。」

西園寺が咥えていた煙草がポトリと落ちた。

「私、木崎先生も西園寺社長も同じくらい好きで……自分でどうして良いか分からなくなっちゃったんです。」

俯いた由香里の頬に西園寺の手が触れた。

「どうして良いか迷っていた時に、木崎先生にキスされて、でも西園寺社長の顔が浮かんで……。」

「同じ人間だからね、そりゃ思い出すかも。」

西園寺の顔がゆっくり近づいてきた。

「俺は、自分の事を好きな相手に振られたってこと?」

彼の吐く息が彼女の耳をくすぐる。

ふわっと彼の煙草の匂いがした。

「私、木崎先生と別れた後ずっと泣いてたんです。なんであんな事を言っちゃったんだろうって。」

「で、今度は西園寺の私に拒絶された?」

由香里がコクリと頷いた。
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