恋のキューピット
わたしはビルの建ち並ぶ通りを歩く

天気もいいし、公園にでも
行こっかなぁ





近所の公園に着いた

この公園は小さい頃姉と遊んだ場所

あのときはまだ姉も外で走り
回ることができたのに

いつ頃からだったかな
姉が外で遊べなくなったのは…


ダメダメ
こんなこと考えちゃ!

すぐ姉のことを考えてしまうのどうにかしないと…

姉はもういないんだし―




はぁー
歩き疲れたな

あたしは公園のベンチに座った

向こうで楽しそうにブランコをしている子どもたちを眺める


かわいいねぇ
子どもは…

ん?なんかあたしオヤジ臭くなったなぁー

これじゃイケメンつかまるわけないよ~
今日も収穫ゼロだし…

あー
イケメンに会いたいなぁ…

イケメンに会いた―

!!!?っ

…………

前方に変な人いる…!

変!変だよあの人!!

他の人から見たらあたしも
口をパクパクさせて
変人に見えるだろう

でもそれ以外に変

ブランコより右のはずれたところに ベージュの帽子をかぶり
オレンジのコートを着ている人が、なんかくねくねダンスしてる―?

あっ酔っぱらっているのか…

二十歳ちょい上ぐらいかな
女性だな

でも怪しい…

不審者みたい

公園にいる子どもやその親は
酔っぱらいがいてもなんとも
思わないのか…!

迷惑じゃないのか…!


あー大丈夫かなあの人

かなり酔っぱらってる

もう今にもフラフラして
倒れそう

何昼間から飲んでるんだよ~


なんとなく気になるので
その女の人のとこに行った

「あの…大丈夫ですか?」

「……」
女性は顔隠してしゃがむ

「えっと場所を移しませんか(ここだと親子の迷惑になるし…)」
「……クスッ」

っ!?

今笑われた!
なんか怖いし

「あの…」

「ジャーン!!」

!!!!?

女性が顔を見せた

「えっえっ…なんで!?」

女性の顔は見たことある顔

姉の顔とそっくりだった―
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