七つの椅子
目的を無くした俺の腕は新たな目的としてシーツを掴み、エレナの肩に掛けてやった。
そして俺もシーツを肩まで掛け、寝る為にエレナに背中を向けた。
「はぁ…」
寝られない。
男として、人間として最低な事をしてしまった俺。
エレナが傷つかない訳がない。
「はぁ~…」
俺はどうしたらいい?
「はぁ~……」
俺はどちらを愛してる。
そんなの和華菜に決まってる。
…本当に?
嘘なんか吐いてない。
エレナの前で和華菜を愛していると告げたんだ。
エレナの事は愛していない?