シーソーが揺れてる
「最初は普通だったんだけど、突然泣き出して・・・」
昨日の夜のことを思い出して直人はぞっと寒気を感じて思わず身体を震わせた。
「それはあれかー?おまえが誘いを断ったからかー?」
難しそうな表情から一変、親父さんはさきほどのような意地悪そうな笑みを浮かべた。
「ちっ違うよ。家の店でバイトしなよって言ったらとつぜん・・・」
「おまえそんなこと言ったのか」
親父さんは驚いた様子で一瞬慌てふためいた。
「やっぱ家の店じゃだめかー」
「そう言う問題じゃない」
親父さんは厳しい口調で言った。
「えっえ?」
ぽかんとなる直人に、親父さんはなるべく落ち着いた声で言った。
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