シーソーが揺れてる

「おい遅いぞー」
11時2分。
普段通り春香が公園のベンチまで来ると、直人は早速言った。
「遅いって、まだ11時少し過ぎたとこじゃない」
「おれ20分も待ったぞ」
「それはあんたが早く来すぎたからでしょう」
「しょうがねえだろ何もすること無かったんだから」
「あっそっ!」
春香は態とらしくバッグをベンチの右側にドサット叩きつけた。
「もっとそーっと置けよそーっと」
直人は置かれたばかりのバッグに目を落としながら言った。
「うるさいなあ」
「昼飯入ってんだろう?」
「あーっ、そうだった」
春香はここに来る前例のパン屋さんで昼食にとパンをいくつか買って行ったのだ。しかも直人の分も・・・。
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