シーソーが揺れてる
「西山さんは僕や先輩も知らないような世界に居るような方なのかなあって、何となくですけどそう感じたんです」
信号を渡り終えると良太は言った。
「まあな、あいつもいろいろたいへんみたいだし」
「えっ?」
直人はほんの少しの間良太から目を反らした。だがすぐに視線を戻すと言った。
「彼と別れたんだって」
「そっそうなんですか」
「だからチャンスだぞ」
「なんでまた話しをそっちに戻そうとするんですか」
「西山ともっと話しがしたいんだろ?」
「僕が言ってるのは・・・」
その時良太の携帯が電話を告げる着信音をならした。
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