シーソーが揺れてる
大7章

「おいこれなんだけど」
翌日例の公園のベンチで二日ぶりに再会した春香に、直人は少し苛立ちながら声をかけた。
「あー、・・・!」
自分の傘を手にしてる直人を見て、春香は一瞬驚いたがすぐに思い出した。
「傘あんたに貸してたんだよね」
「おいおい忘れんなよー」
そう言うと直人は持っていたそれを春香の左手にひょいと乗せた。
「そうそれと・・・」
傘を受け取った春香に直人は引き続き言った。
「えのところに付いてるこれ、何なんだよ」
直人に言われて春香は改めてえにぶら下げられたキティちゃんのキーホルダーを指で摘んだ。
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