逃げる女
「―ッ!!ごめ…」



また涙が出てきた。





だって…



充が…






『馬鹿やろう…どこまで心配かけりゃ気が済むんだよ…』




充が…泣いているから…




「ごめ…ねッ…」




私の事…こんなに心配して泣いているから…


嬉しくて…
不謹慎だってわかってる。けれど…嬉しくて涙が止まらない…












頭をぶつけて気絶した私を、救急車で病院へ運び、レントゲンやら撮って検査したらしい。



どこにも異常は見られなくて、その内目を醒ますと先生は説明したが、充も泉美もとても心配したと言った。



一応今日はこのまま病院で過ごすよう言われた。


ぶつけた場所が頭というだけあって念の為にと説明される。



泉美が私の親に連絡を入れてくれてたみたいで、明日来てくれると教えてくれた。
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