逃げる女
大志君からのメールを１件ずつ見ていく。



［さっきは話の途中でごめん。もう一度きちんと話しよう。］


［今何の講義受けてるの？そこまで迎えにいってもいい？］


［話がしたいので、連絡してほしい。］


［怒ってるの？講義おわったら連絡して。］





携帯を閉じてテーブルの上に置いた。


私が怒ってる？
嫉妬してる事に気付いてたんだ。


あの女の子にはなんて弁解したんだろう。
私にはなんて言うつもりなのかな。


聞きたいけど、聞きたくない。矛盾した気持ちで胸がムカムカしてくる。



こんなに必死になってくれるのは、大志君も私の事好きでいてくれてるのかな。あの女の子よりも？



気にしてないなんて大志君に言っておきながら、こんなにねちねちと気にしてる自分自身に腹が立つ。



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