ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
 

私は集中できないまま、実験をしていた。


えっと…次は…


「あの先生、ほんっとカッコいいよねぇ~!彼女とかいるのかなー」


「……」


…友達も、周りの女子も、実験どころじゃないらしい。


きっと、私だけが違う理由だけど。


目を合わさないように必死だった。


私は火にかけていた器具を冷やすために台の上に下ろす。


そして、その向こうにある器具を取ろうとした時だった。


「――あっつ!」


ほんの少しだったけど、まだ熱い器具に手が触れてしまう。


その声に、友達が気付く。

 
< 153 / 217 >

この作品をシェア

pagetop