空から君へ

17年間
俺が探してやまなかった答え。

それをようやく見つけた。


生まれてきていけないなんてことはない。
決して…。

たとえ望まれない“生”だったとしても
必ず、誰かが望んでくれるようになる。



『生まれてきてくれてありがとう』と…



俺のことを太陽だと言ってくれた絢。

俺が太陽なら、
お前は太陽を綺麗に見せてくれる


青空






「呼んで…?…俺の名前…」





一ノ瀬 陽として生まれてきてよかった。
絢、俺を好きになってくれてありがとう。


母さん
生んでくれてありがとう


神様
こんな俺に最高の贈り物をありがとう。






「陽…っ大スキだよ…っ」





答えを見つけた今・・・
誇りをもって

俺が生きた17年間に


ピリオドをうとう。





「…あり…がとう」




幸せな言葉をもらって、俺は空に登っていく。
スッと心が晴れていく。

痛みから解放されて…。


何もかもバラバラになっていく





「陽…?陽っ!起きて!」




絢が俺の身体をゆすっていた。

もう
目覚めない


泣くな絢。
どんなに姿・形は見えなくても


心はずっとそばにある…。


俺の心はお前だけのところに永遠にある。






お前ならわかるよな?





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