たったひとつの愛と笑顔
誰かが明日香の手を握った。


翔太じゃない。



そのまま、手を握った人は走っていく。




「誰???」



「健二。」



は・・・健二が何で???



「何でこんなことするの??」



「むかついたから・・・。」



それって、明日香のこと好きってこと???


後ろから翔太が追いかけてくる。


「翔太・・・。」



そのままどのくらい走っただろう。



翔太の姿は見えなくなった。


健二が明日香の手を離したとき、明日香は健二をひっぱたいた。



「いて・・・。」



「最低、翔太と帰ってたのに・・・。」



健二は本当に悪そうに誤った。



「ごめんなさい。悪かった。」



そんな健二がかわいそうになり、思わず誤る明日香。



「叩いてごめん。痛かったよね???」



「あぁ、でも大丈夫。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



「明日香、帰るね。また明日。」



「待てよ、明日香。」



ドキッ。よ・・・呼び捨てした。しかもイキナリ。



「お願いだから、今日だけ俺の彼女になって。」



は・・・。つまり、今日だけ二股。



「どういうこと???」



「お前のこと好きだ。今までのことは誤る。だから、マジで。一生のお願い。もう、明日香に関わらないから。邪魔もしない。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



ど・・・どうしよう。



「翔太に相談・・・。」



「ダメだ。」



「じゃあ、明日香もダメ。今日だけでもダメ。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。



なんなんだろう。この沈黙。むかむかする。



「分かったよ、いいよ。」



「マジで。ありがとう。」



明日香はいつもこんな感じだ。



「で、何すればいいの???」



「俺のこと、好きっていってほしい。」


< 42 / 89 >

この作品をシェア

pagetop