たったひとつの愛と笑顔
「よぉ。寒いな。」




「うん。どうしたの??中入る???」




しかし、健二はいいと言う代わりに首を横にふり、寒そうに言った。




「お前らさぁ、別れたんだろう。」




「え???誰が別れたの???」




別れたって明日香と翔太のことじゃないよね?



「だから、お前と直木先輩だよ!!」




「別れてないと思う。」




別れてないと思うけど、もう2ヶ月もメェルの返信がこないってもしかして、自然消滅・・・。




「直木先輩が別れたって言ってたから。だから、俺がお前を元気づけてやろうかと思って。」




翔太が・・・。



行かなきゃ。



聞かなきゃ。




理由を



聞かなきゃ



明日香




だめだよ



わからない



明日香のどこが



だめなのか・・・。




だめなところはたくさんあるけど、それを直すようにするからって言わなきゃ。




「ゴメン。ちょっと、行って来る。」



キャ。


健二に腕をつかまれた。




「やめてよ。お願い。すぐ帰ってくるから。」



「いいや、お前は絶対に帰ってこない。」




痛い。



「痛いよ。健二なんて嫌い。」



それでも健二は放さない。



「嫌いになっても、俺は放さないから。」



そこ言葉をきいて、明日香は考えた。




もしかして、明日香、健二のこと・・・。



「行かないから、中入って。」

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