帰る場所




「なぁ、1つ聞いていいか?

ハルはこれからどうするんだ?」




「私、ですか?

できることなら

貯金を崩さないで

寝泊まりできる場所を

見つけたいですね。」




「最高の物件があるじゃねぇかよ!

やっぱりお前、住め!」




「シュウさんって一人暮らしなんですか?」




一瞬だけ彼の表情が
曇ったような気がした。




「あ…あぁ、まぁな?

だって俺23歳だし?」




そこ、ドヤ顔いらないからね?




23歳ってことは社会人かぁ…




「一応考えときます。

シュウさんがそこまで言うのなら!」




私も負けじと言い返してみる




けど…




やっぱり年上にはかなわなかった




「本当は住みたいんだろ?

素直になれよな〜?」




…う゛、図星すぎて
言い返せなかった。




「す・住んであげてもいいですよ!

素直じゃなくてすみませんね?」




「こ・コイツ〜…!」




今まで知らなかった。




人に言い返せるのって




なんか、いいなぁ…。










.
< 36 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop