彼からの5日遅れのラブレター

「やだぁっ、やめてよ」

「遊ぶだけじゃん」

「やめてくださいっ」

どこからか、女が絡まれている声が聞こえた。
いつもは、助けには行かないが、なんかほっとけなかった。

声のする路地裏に行ったら、やはり女が男二人に絡まれていた。

「やめてっ」

「いいじゃん、少しくらいつきあっ「おい、やめろよ」」

「誰だよ、お前」

「俺?こいつのつれ」

「ちっ」

舌打ちをして、男達は去っていった。
女は、しゃがみ込んで震えていた。

「もう大丈夫だから心配すんな!」

「ッん、ぁりがとぅございました」

顔を上げた女の顔があまりにも綺麗だった。
少し涙目になりながらお礼を言った彼女は、男ならすぐ理性がとぶだろう。

「ほら」

俺は、女の手を引っ張り上げ、立たせてあげた。

「ほんとにありがとうございました」

「良く、絡まれるの?」

「はい……。私みたいな不細工、なんで絡まれるか不思議で……。」

あぁー。そうか、この子無自覚なんだ。

「気おつけれよ!じゃあ、俺時間ないから」

もう辺りは、夕焼けになっていて、時刻は16時をまわろうとしていた。

「えっ、今何時ですか?」

「16時」

「へっ、ヤバい。今日は、ほんとにありがとうございましたっ」

ペコッと頭を下げ、走って帰っていった。

俺は、そんな彼女をどこか愛おしく感じた。

俺は家に帰り、一応シャワーを浴び、スーツに身を包み家を出た。

「16時45分か……。ギリギリだな…。」

俺は、急いで駐車場に行き、自分の愛車を走らせた。
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