COLORS~Clear~
「少しずつでいいから。俺には気を許してくれないか?」


優しくて完璧な人…。

私は郁サンのことだけで、もう、そんな余裕すら、なくしていたのかもしれない。


「…ありがとう」


きっと。
気づこうと思えば、気づけてたんだろうけど…。

そう。
やっぱり私は。

完璧な人間ではないから…。


「ちょっと喋りすぎたな。冷めないうちに食べよう」


郁サンは、ちょっと恥ずかしくなったのか。
照れ笑いを浮かべて。


「ん…」


今まで見えてなかったこういう部分を。
もっと知りたい、思った。

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