COLORS~Clear~
なんて。
そんな疑問を持ちつつ。

私は落ち着いて…と言うか、いつもどこか冷めた子だったし。
例えば、沙奈と生まれてくる順序が逆だったとしても。
やっぱり私は、


―私なんだろうな…


仕事をしていると。


―ヴーッ、ヴーッ…


着信画面。
郁サンからのメールだった。


婚約して3ヶ月。
郁サン、呼ぶのは、まだどこか慣れなくて…。

3年も上司で。
課長としか呼んだことがなかった人。

サラリと、


『透子』


呼べちゃう彼は。
やはり女慣れ、してるんだろう。

仕事中にメールなんて、


―珍しいな


思いながら、メールを開く。

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