雨上がりのキス
‐1‐

両親




〜〜♪〜〜〜♪


どこからか聞こえてくる不快な音で、あたしは目を覚ました。
まだ寝ぼけている両目を右手でこすりながら、聞こえてくる音の正体を探す。


〜〜♪〜〜〜♪


その音は、あたしのケータイから鳴っていた。
いつもは何気なく聞いていた音のはずなのに、今日は違う音のように感じた。


なんだか、胸騒ぎがする。


ソファから降り、急ぎ足でケータイが置かれているテーブルへと向かう。
緊張しながらも手に取ると、あたしはケータイを開けた。


――この後に起こる出来事に、この時のあたしは、これっぽっちも気付いていなかったんだ。


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