カローレアの金
混乱
レベペとの別れを終えた後、アンは小さな扉から城内に戻る。
庭園の花には朝露が降りていて、それを朝日がきらめかせていた。
庭園の中に広がる兵士の寄宿舎への廊下を衛兵たちがぞろぞろと談笑しながら歩いているのが見えた。その中に見覚えのある赤髪がいる。

「おい、キルト…だっけ」
「お、そのとおりキルトだ。どうしたんだロイ」
「これから何かあるのか?」

あちらこちらから、勘弁してほしいよなーという声が聞こえる。

「ああ、このあと女王陛下から何かお言葉があるらしい。こっちはレベペの奇襲でろくに寝てないっていうのにな」

そう言いながらキルトはあくびをする。

「ま、詳しくはカイン団長に聞いてくれ」
「ああ、ありがとう」

人の流れからはずれて、一番後ろを見ればカインがいた。

「カイン」
「あ、ああロイ…」
「なあこのあと何があるんだ?女王は何を考えてる?」
「さ、さあ。俺にもわからんさ」

なんだかカインの態度がぎこちない。

「カイン…お前何か変だぞ」
「そうか?」

じっとカインの目を見るものの、すぐにそらされてしまう。
今になって気づいたが、衛兵たちの中にもちらちらと見てくる奴がいた。

そんなアンの横顔を見ていたカインが口を開く。

「なあロイ」
「ん?」
「お前…もしかして」
「何をもたもた歩いているんですか」

いつの間にか二人の背後にいた女王が割り込む。
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