甘い誓いのくちづけを
―――――――…



「ねぇねぇ、瑠花ちゃん!」


不意に右手を引っ張られ、ハッとして視線を下げる。


ボーッとしていたあたしを、いつの間にかたくさんの子ども達が囲んでいた。


「なぁに?」


笑顔を見せて小首を傾げたあたしに、子ども達が我先にと言わんばかりに口を開き始める。


「今日はどうして来るのが早いの?いつもは、お昼からしか来れないのに」


「夕方まで遊べる?」


「あのね、この間豆まきしたんだよ!」


「ぼく、鬼やった〜!」


「ぼくはね、鬼のお面作ったんだよ!上手に出来たんだよ!」


子ども達の口から次々と飛んで来る言葉に、クスクスと笑う。


その後でしゃがんだあたしは、眉を小さく寄せながら微笑んだ。


< 155 / 600 >

この作品をシェア

pagetop