甘い誓いのくちづけを
晴れやかな空が広がる、4月下旬の日曜日。


あたしは、オフィス街の中にある公園のベンチに腰を下ろし、目の前の噴水を眺めていた。


理人さんと出会った頃は、まだ体が凍りそうな空気が漂う真冬だったけど…


それから3ヶ月以上も過ぎた今は、すっかり桜も散って暖かい陽気が降り注いでいる。


「3ヶ月、かぁ……」


言葉にしてみれば、呆気無い程あっという間の期間。


だけど…


理人さんと出会って3ヶ月が経ったという事は、文博と別れてからも同じだけの時間が過ぎたという事。


長いようで短いその期間に、色々な事があった。


あれ程痛んでいた心の傷は、今ではもう塞がり掛けている。


その理由は、敢えて口にするまでも無いと思う――…。


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