甘い誓いのくちづけを
「……瑠花、さっきからニヤけ過ぎよ」


パソコンに向かっていると、隣から飛んで来たのは聞き慣れた声。


ハッとして、また榊原課長に叱られるんじゃないかと背筋を伸ばしたけど…


幸い、課長の姿はこのフロアには無かった。


「嬉しいのはわかるけど、その顔は締まりがなさ過ぎるわ……。理人さんに会う前に、もうちょっとシャキッとした方がいいと思うわよ?」


「はい……」


さゆりの言葉にシュンと肩を落とすと、彼女がフッと笑った。


「冗談よ、瑠花はそのままでも充分可愛いからね」


「もう、からかわないでよ」


「はいはい。それより、もう上がれば?」


さゆりに促されて時計を見ると、とっくに終業時間は過ぎていた。


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