甘い誓いのくちづけを
―――――――…



眠ったのか眠っていないのか、よくわからない。


だけど…


朦朧とした意識の中でも理人さんの腕に包まれている事だけは、何となくわかっていた。


それを確かめたくて必死に瞼を開けると、優しく笑う彼の顔が視界を占めた。


「おはよう」


返事をしたいのに、口を開く気力すら無い。


「ごめん、本当に無理させ過ぎたみたいだ……」


鉛みたいに重い体にしたのが微苦笑を零した理人さんだって事を思い出して、本当は少しだけ怒りたくなったけど…


「今日は、このままゆっくりしていようか」


彼があまりにも幸せそうに笑うから、あたしも釣られてとても小さな笑みを浮かべた後で、再びゆっくりと瞼を閉じてしまった――…。


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