甘い誓いのくちづけを
夏の暑さを忘れ掛けた頃、残暑が厳しかった9月も終わろうとしていた。


理人さんとは、相変わらず会っていない。


電話に出ないあたしに痺れを切らしたのか、一度だけ家の前に彼の車が停まっていた事があったけど…


アパートの手前でその事に気付いたあたしは、慌てて駅に引き返してさゆりに電話を掛け、家に泊まらせて貰えないかと頼んだ。


彼女は快く泊まらせてくれたけど、理人さんときちんと話し合う事を勧められた。


だけど…


頭では理解していても、面と向かって別れを告げられてしまう事が恐くて、ついつい逃げ続けてしまって。


そうしているうちに、理人さんから毎日のように掛かって来ていた電話も、先週からはとうとう掛かって来なくなってしまった。


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