甘い誓いのくちづけを
家に帰る途中、理人さんに会いたくて堪らなくなった。


今まで、こんなにも誰かを恋しいと思った事なんて無い。


数時間前まではあんなに躊躇していたのが嘘のように、ただただ無性に会いたくて…


出来る事なら、今すぐに理人さんの元に飛んで行きたいとすら思う。


『想いは言葉にしないと伝わらない』


二度も聞かされたその言葉は、胸の奥にまで染み渡るようにあたしの心を包み込んでいた。


理人さんが明日の10時の便で帰国する事を理事長に教えて貰ったから、明日はその時間に合わせて電話を掛けよう。


知りたい事も訊きたい事も抱え切れない程たくさんあるけど、何よりも一番最初に自分の想いを伝えよう。


心の中でそう決めて、夕陽に染まる空を仰いだ――…。


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