甘い誓いのくちづけを
―――――――…



その後、すぐに店を出た。


「我ながら未練がましいと思うよ。別れてから9ヶ月も経ってるのに、その間ずっと瑠花の事を想っていたなんてな……」


不意に告げられた想いに申し訳なく思ってしまったのは、あたしの中にはもう文博(カレ)がいないから…。


「バカ、そんな顔するなよ……。余計に虚しくなる」


「ごめん……」


「言っておくけど、これでも結構すっきりしてるんだぞ?瑠花に会うまではずっとウジウジしたりイライラしてたけど、今は思ってた程つらくないし。何て言うか……」


文博は微笑みながらそこまで話し、一呼吸置いてからしみじみと続けた。


「ようやく、ちゃんと過去と決別出来そうな気がしてるんだ」


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