甘い誓いのくちづけを
「ありがとう」


「こちらこそ、ありがとう」


すっきりとした笑顔を見せた文博にそう返せば、彼はどこか悪戯っぽく笑った。


「あいつに伝えてくれ。『瑠花を泣かしたら許さないぞ』って」


「バカ……」


芽生えそうになった戸惑いを押し込めながら眉を寄せて笑うと、文博がフッと柔らかく微笑んだ。


「幸せになれよ」


「文博もね。それに、ちゃんと食べなきゃダメだよ?」


「あぁ」


ほんの数秒程、沈黙が流れる。


それから、意を決したような文博が先に口を開いた。


「じゃあ、元気でな」


「うん、さよなら」


お互いの瞳を真っ直ぐ見つめた後、どちらからともなく踵を返した。


過去と決別をしたからこそ、今日の青空のように笑顔で――…。


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