今さらなのよ!
夢の新天地

隆祐が平林の襟を掴もうとしたが、ニヤニヤ笑っている顔を見て手をおろした。


「ふん・・・どういうオチなんだよ。
いちおう聞いてやる。」



「チェッ、もう察しはついているんだろうに。
だからふつうの人間の方がうれしかったけどさ・・・。

あえて大きな声で言ってやるよ!
お友達になってほしかったからだぁーーーーーーー!わかったか。」




隆祐はクスクス笑いながら、


「はずかしげもなく、よく言うよ。
それから・・・ありがとな。
俺、もう会社にはいられないと覚悟してた。」



「水クサイな。それにな・・・おまえの能力を欺くほどの秘密もあるんだ。
知りたいか?知りたいよな・・・。ふふふふ。」



「な!なんだと・・・。
おまえの素性の秘密か?敵意は感じられないが・・・」



平林は自分のビジネスバッグから書状を取り出し、隆祐に手渡した。



「これ、ここでおまえに渡すように上役から頼まれた。
読んでみろよ。」




隆祐はそっと書状を開いて文章を読み始めた。



「なっ・・・そっか。くくっ・・・。さすが山畑商事だ。
それと上役って言い方が・・・あはははは。

いつからおまえは代表取締役の直属部下になったんだよ。」




「1週間前からかな。うん・・・はははっ」
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