今さらなのよ!
滅びてもなお・・・
山野辺隆祐はこのところ毎日、何者かに後をつけられている感覚があった。

足音がするわけでも、影や姿を見たわけでもないが、小さな殺気がうかがえたのだ。


(いつだ・・・いつ仕掛けてくるつもりだ?)



かすみとの接触で覚醒してから、毎日運動能力も勘どころも鋭くなってきているのは確かだった。

現在ではすでに、かすみの実力をかなり超えた力を感じており、隆祐は恐怖すら感じ始めていた。



(俺は・・・彼女と同種の宇宙人・・・。しかしそれだけなのか?)



そう頭に疑問が浮かんだ途端、ついに隆祐に向かってたくさんの小石が飛んできた。



「くっ、このくらいならかわせる!」



小石をすべて避けて民家の塀の陰に隠れた。



すると、意外なことに、隆祐の目の前に長い髪を後ろでまとめた青年が姿を現した。



「せこい挨拶をしてしまったかな。すまない・・・。
だが、さすがは王族の血をひいているといったところか。」



「どういうことなんだ?おまえは何者だ?」
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