レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
好きな気持ちぐらいしか知らなかった俺は、お節介にも川田先輩を探しに行った。
卒業したらもう、云うことすら出来ないのだから。
だけど、先輩は彼女の肩に腕を回して、他の卒業生と騒いでいた。
ずっと、待ってる泉のことなんて気にもせず。
結局先輩に何も言えず、俺は静かに泉のいた場所へ戻った。
泉は、来ないことがわかったのか…。
泣いていた。
必死に我慢してるのは、見てわかる。
それを見て、守りたい。
素直に。
そう、思った。
それから平然を装って、泉のとこへ向かった。
あたかも、今来たかのように。
「うお、こんなとこでお前何してんの?」
大げさに驚いた振りをしながら、俺は泉の背中に話し掛ける。
背中にしたのは、泣き顔を見ないように、だ。
だけど、泉はすぐにくるっと振り返って。
「あっ、順二じゃんっ!順二こそ、何してんのよ」
そうやって、赤い目で笑ったんだ。
卒業したらもう、云うことすら出来ないのだから。
だけど、先輩は彼女の肩に腕を回して、他の卒業生と騒いでいた。
ずっと、待ってる泉のことなんて気にもせず。
結局先輩に何も言えず、俺は静かに泉のいた場所へ戻った。
泉は、来ないことがわかったのか…。
泣いていた。
必死に我慢してるのは、見てわかる。
それを見て、守りたい。
素直に。
そう、思った。
それから平然を装って、泉のとこへ向かった。
あたかも、今来たかのように。
「うお、こんなとこでお前何してんの?」
大げさに驚いた振りをしながら、俺は泉の背中に話し掛ける。
背中にしたのは、泣き顔を見ないように、だ。
だけど、泉はすぐにくるっと振り返って。
「あっ、順二じゃんっ!順二こそ、何してんのよ」
そうやって、赤い目で笑ったんだ。