黄緑絵の具
舞い込む混乱



『ただいま』

玄関のドアを開けるとスグリが走り寄ってきた。

『シュウにお客さん。
上がってもらってるよ』

この時間なら大学の友達じゃないだろうし、心当たりも全くない。


急いでリビングに向かい、戸を開けた。

そこには、優雅にお茶を飲んでいるベリアルがいた。


『人んちで何してるんですか!』


ベリアルはゆっくりとこっちを向いた。

『お前の様子を見に来たのじゃ』

手元にあった大きな紙袋を2つ、こっちに投げてきた。

『スグリにもそれが必要かと思っての。
我もなかなか似合うであろう?』

よく見ると、ベリアルはキレイめのシャツに細身のパンツといったカジュアルな服を着ている。

紙袋の中には服や靴、下着が入っていた。

『なんで?一晩泊めただけですけど』

僕は昨日の出来事をベリアルに説明した。

『封印を解いたのはお前。
だから使い魔のスグリはお前といなければならぬ』

昨日のスグリと同じ事を言われた。

『でも……』

『あたし毎日美味しいご飯作る。
迷惑かけない。
だからシュウの側に居させて』


スグリは必死に頼み込んでくる。

美味しいご飯はかなり魅力的だけど、女の子と一緒に生活なんて絶対無理!


『ベリアルさん。
何か方法はないんですか?』

ベリアルはいつかのように、いやらしい笑みを浮かべた。

『我に不可能はない』



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