黄緑絵の具


かなりの時間、お互いに唇を求め続けていた。


急にスグリの唇が離れ、僕の肩にもたれかかる。

『スグリ?』

顔は見えなくても、寝息を立てているのがわかった。

かなり酔っていたし、よほど眠たかったのだろう。


スグリが起きないように、そっとベッドに寝かせる。

先ほどまでの激しさが嘘のように、大人しく眠っている。


身体が興奮状態のままの僕は眠れず。

スグリの隣に横たわった。


首の下にそっと手を回し、起こさぬようにスグリを抱き寄せる。

スグリが愛しくて堪らない。




これが恋なんだろうか。


おでこに、鼻の頭に、頬にそっとキスを落とす。

そして唇にも。




『おやすみ……』


スグリを抱き寄せたまま、僕は目を閉じた。



< 42 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop