黄緑絵の具



材料を袋に詰め込み、僕は風呂に入った。

今の時間は午後10時。

風呂から上がり、荷物を持って近所の神社に向かう。

この神社には裏山があって、頂上が広場のようになっている。

頂上までだいたい一時間程で行ける。

昼間はそこそこ人がいるのだが、夜中なら人気はない。


そう思って選んだ場所だったけど。

真っ暗な山道は薄気味悪いし、歩きにくいし散々だった。


『やっと着いた~!』

辿り着いたのは午後11時半。

久しぶりに動いたこともあって、くたくただった。

鞄から取り出した水で喉を潤し、準備に取りかかる。


メモに書かれている通りに植物を積み重ねて、魔法陣の模造紙を広げた。

『こんなんで本当に神様が出てくるのかな……』

不安がないと言えば嘘になる。

だけど尊敬する画家と同じ事をしている、その事実だけで僕は興奮していた。


午前0時まであと10秒。


『……4、3、2、1、よし!』


アキラに持たされたライターで火をつけ、魔法陣の中心に立った。



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