机の穴(仮)
二限、世界史。


あたしは何も考えることなく、黒板の端から端までビッシリ書かれた歴史事項をただただノートに書き写していた。


シャー芯がなくなったことに気付き、ケースから芯を出そうとする。

けれどあたしは不覚にも手を滑らせてしまって、シャー芯ケースはコツンと音を立てて机に落下。
と思ったら、ケースはそのままスコンと机の穴に落っこちてしまった。


思わず舌打ち。世界史教師が怪訝そうな目であたしを見てきたから、再び舌打ち。


とにかく、穴からシャー芯ケースを取り出さないことには、板書もできない。
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