儚き願い

言葉【コトバ】






僕は、どの位蓮華と一緒に
過ごして居たんだろうか??





「柘榴??」
蓮華が僕の名前を呼ぶ。





「蓮華様??」
僕は呼ばれた方へと
向かって行った。





「また戻ってる・・・
止めてって言ったのに」
様を付けて呼ばれるのが
蓮華は気に入らないらしい。





少しむっとした表情を見せる。
「ごめん。」
僕は何度注意されても
この様を付けて蓮華を呼んでしまう。





「まぁいいや。
一緒に買い物行こう??」
蓮華は僕を振り返って手を差し出す。





「うん。」
僕は手を取って頷いた。





蓮華と出会って6年。
生気(えさ)を蓮華からもらった事は
一度もない。





森の樹から溢れている生気を吸って
僕は何とか生きていた。





しかし、最近は蓮華は
まだ僕が生気を樹から吸っていることは
知らない。





この近辺に生えている木は、
全て生気を吸ってしまって
もう、ちっとも生気が残っていない。






そろそろ、本当のことを話さないと
いけない時期(とき)だった。





そんなことが僕の頭の中を
駆けめぐって居た。











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