【完結】ヒミツの極秘結婚【社長×秘書】


「……会長は、社長のことを心配しているのです。きちんとした大人に育てることができなかった代わりに、子供にはせめて、一生懸命になって自分の望むままに育ててほしいという、思いがあるのではないでしょうか??」

「俺の、望むままに……」

「はい。ですから会長は、そんなことを仰っていたのではないかと、わたしは思います」

「……話してくれてありがとう。会長に言われたとはいえ、辛かったよな」

「いえ。お気に入りなさらず。……デザート、食べてもよろしいですか??」

「ああ」

美優紀は、どんな思いで俺に全てを打ち明けたのだろう……。
美優紀が子供を望んでいることは分からないし、どうなりたいかも分からないけど……。

「……子供のことは、ゆっくり考えよう。別に焦ることでもないし」

「はい。……そうですね」

こんな時でも美優紀は、冷静でいられるのはすごいと思う。
普通なら戸惑うだろうし、迷ったりするし、子供を作りたいと思わないだろうけど。

美優紀は妙に落ち着いていて、それはやはり、俺の秘書を続けているからなのか。
ーーーそれとも、冷静に見せているだけなのか。

俺にはまだ、美優紀のことが良くわからない。
ーーー美優紀のことを、俺は好きだし、愛してるけど。
こんな秘密の結婚なんて、誰も望んでする人、きっと美優紀以外にはいないだろう。美優紀は強い女だ。……俺の前では、決して弱さを見せない。
俺の秘書として、妻として、とても美優紀を尊敬している。
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