組対のデカ
「ああ。俺も公安とはいえ、デカだからな。気にはなるよ」


 丸岡がそう言って、自分の前にも置かれていた冷たいお茶を啜る。


「あの検事には守り通すべきものがあったんです」


「守り通すべきもの?」


「ええ」


「それは一体何なんだ?」


 一瞬翻って、一呼吸置き、


「――組織です。検察という、とても堅固な」


 と言った。


 丸岡は驚いている。


 組対部の一デカに過ぎない俺が言ったことに対して。



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