組対のデカ
第2章
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 先日、新宿興益ビル内にて確保した河村組と三嶋興業関係者は合計六名で、身柄が警視庁へと移された。


 河村組の町岡は検挙された他の二名の組員たちと別の部屋で取調べを受ける。


 逮捕容疑はあのビル内で事件当夜、銃やクスリなどを横流しした疑惑だった。


 河村組のフロント企業に三嶋興業が付いていて、普段から対象となる企業や法人などを中心にミカジメなどを巻き上げ続けている。


 逮捕者は町岡を含む三名でビル内に潜伏していて、物品の受け渡しがある前に、現場へと踏み込んで正解だったのだ。


 あのタイミングを逃したら、おそらく捕まえられなかっただろう。


 俺たち組対五課に所属するデカたちは確保した容疑者たちを取調べ続ける。


「お前らの組が銃とシャブ流したことはバレてるんだからな。どこから入手したんだ?」


 ずっと取調べを担当しながら、目の前にいるいかつい顔をした町岡から事情を聴き続けた。


「それ言ったらおしまいですからね。言えませんよ」

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