組対のデカ
 独裁者が死んでも、後継者がいる以上、国家は続く。


 左翼の動向を担当する公安第一課の刑事は、所轄ではあるものの港中央署のデカたちと協力し合って、絶えず積荷の調査に当たっているらしい。


 その手の情報が組対には伝わってくるのだ。


 船の中の積荷には大抵、ブツが隠されている。


 何もかもを曝け出すようにして、捜査が続行するらしい。


 俺たち組対もアンテナを張っているのだった。


 まずいものがどこに流れていくのかを把握していて。


 ずっとフロアに詰め続けているのだが、情報は入ってくる。


 倉田五課長を始め、組対部の刑事たちは常に緊張感を持って臨んでいるのだ。


 また何かあれば、すぐに出動する手筈でいて。

 
 そして同時に思っていた。


 七年前の小波殺害事件と、長谷川転落死事件の謎を一課のデカたちに解いてもらいたいと。

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