王子様とお姫様
「なーにボーっとしてんの?」
あははって可愛くに笑う陽斗。
作った笑顔じゃないその笑顔にきゅんとする。
「家どれ?」
「んー…あそこの茶色い家!」
「美織ちゃん、もう暗くて見えないんですけど?」
あ…そっか。
やば…バカ丸出しだぁ。
恥ずかしくて俯く。
でも心は正直で、意地悪く笑う陽斗にきゅんとしちゃう。
「この家から…3軒目の家です」
遠慮がちに言い直す。
ほんとはもう歩いて帰ってもいいくらい。
だけど、せめてお礼がしたいし。
それに…もう少し一緒に居たいってのもちょっとある。