あんたなんてほんと大っ嫌い! …嘘。大好き。【完】


「お前、むちゃくちゃ言ってんぞ?」


あきれた表情で言う。


「お兄ちゃんが誰と付き合っても文句はないけど、」

嘘つけ。
いつも邪魔してくるしゃ
ねーか。

「完璧なお兄ちゃんじゃなくなるのは嫌!!」


はあ?意味わかんね。


「ほんと意味分かんねーよ。俺、完璧なんて思ったことねーし。梨央うぜぇ。」


キッと梨央は俺を睨む。

で、泣き出す…。

いつものパターンだ。

ただいつもなら、ほっておくんだがあいにくここは俺の部屋。

「ウッ…ッ…お兄ちゃんは……いつも冷たいけど…何でもできるから…みんな完璧でカッコいいって…ッ…」

涙がボロボロ零れ落ちながら梨央は話す。

誰のベッドだと思ってんだよ…

~~~っっ!!

「ほら。」


俺はハンカチを梨央に
渡す。


「…お兄ちゃ…!ありがと。」

梨央はハンカチで涙を
抑える。

「そんな、さり気ない優しさもカッコいいって…思う…」


まだ言うか?


「俺は別に自分でcoolだとかも思ってないし…つか、さっきから何が言いたい訳?」


「…お兄ちゃんのだらしない態度はカッコ悪い!私のたった一人の自慢のお兄ちゃんだからいつまでも完璧でいて。」











< 126 / 310 >

この作品をシェア

pagetop