太陽には届かない
堕ちてゆく

過失

結局良平はビールを2杯飲んで店を出る。


『相沢さん、今日、まだ時間大丈夫っすか?』


良平の思わぬ言葉に、陽菜の胸が大きく波打つ。

『私は大丈夫だけど…。』


陽菜が頷くと、


『じゃあ、オレんちの近くに空き地あるんで、そこで話しませんか?』


と言い、車の助手席に乗り込んだ。

陽菜は運転席に乗り込むと、シートを前に出し、ミラーを調節して車を発進させた。

良平の家は、以外にも近く、車で3分程の路地を一本入ったところにあった。


『有田くん…、実家なの?』


陽菜は驚きを隠せなかった。

路地から少し上がった良平の家は、周りの家より大きく、この住宅密集地の中で広い庭を持っていたからだ。


『オレ、一応長男なんで…。あ、そこ右に曲がって下さい。』


言われた通りに曲がると、そこには駐車場を併設した空き地があった。

陽菜は、奥の適当な場所に車を停車させると、エンジンを切った。


『降りる?』


陽菜の問いかけに、良平は首を振った。

降りる?と聞いたものの、周りには何もない。タクシーの運転手が少し離れた場所で休憩を取っている程度だ。
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