君が見上げたあの空は

シンカは爆散

歩美が目を醒ますと、味噌汁の匂いが漂っていた。

身体を起こし、キッチンに目を向ける。

愛歌が、そこに居た。



「恋ヶ窪さん。おはようございます」

「おはよう、歩美さん。私のことは、愛歌って呼んで」



微笑む愛歌に、言葉を詰まらせる。



「お友達は皆、名字で呼び合ってるの?」

「…色々です。名字も、名前も、あだ名も」



愛歌は目を輝かせた。



「あら。あらあらあらぁ。あだ名が有るのね。羨ましいわ」

「…呼ぶのは、一人だけです」

「へぇ。どんな人?」

「空知蒼意っていう、むかつくヤツです」

「蒼意…。男の子、女の子?」





歩美は、理解出来なかった。

自分の、胸を締め付けられる様な感覚を。





「…彼は、女性です」




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