遠い距離


「今日は実はね…」




香奈恵さんが俺に話してくれた。


帰らなくても良いようだ。ほっと安心した。




「事故の…トラックの運転手さんと話していたの。」




それでここには居なかったのか…




「何度も深く謝ってくれたのだけれど…どこか私は上の空状態でしか相手の方の話を聞けなくて…」




香奈恵さんの顔が苦しそうに歪む。
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