遠い距離
『デートをキャンセルした日、本当は俺、交通事故に遭ってたんだ。』
―――――…え?
『半年間意識不明の重傷。……とても沙羅にメールなんて打てる状態じゃなかった。』
『じゃあ…私は一体誰に…?』
『たまたま俺の事故を目撃した心優しい青年だよ。……涼が彼にお願いをしてくれたらしい。』
『…私は…私は……あなたのメールだと思って半年もバカみたいに一喜一憂してたってこと…?』
『沙羅はバカなんかじゃあない。』