好きでいていいですか? 黒いスーツのお兄ちゃん
朝御飯を食べて、支度を済ませ家を出る。


「いってきまーす♪」


「翼ちゃん気をつけてね~」


にこやかに手を降る、
クレハ姉ちゃん。


今日も可愛いなあ~。


さすが、あのひ~くんが
惚れただけある。




しばらく歩いて、
いつも通い慣れてる場所。

大きな玄関を勝手に開け、中に入る。


「おはようございます。
翼様。」


迎えてくれるのは、
執事のカゲちゃん。


「おはよう。カゲちゃん~」


カゲちゃんと挨拶をかわし、広い屋敷の中を歩く。



ここは、幼なじみでもあり、大親友の桜の家。

屋敷の奥の部屋を覗く。

そこには…

「歩くん、凛ちゃんはよ♪」


「お~翼、今日も元気だな~」

「翼、桜まだ寝てるから起こして~」


桜のパパ、歩くん、
桜のママ。凛ちゃんがいる部屋。


歩くん、凛ちゃんは、
うちのパパ、ママと仲良しなんだ。


そして、歩くんはね、
湯沢グループっていう大きな会社の社長。


だから、家も広くてお城みたいなの。



歩くんたちの部屋を抜けて…


寝坊助桜の元へ…。



がチャリと部屋に入ると、お姫様ベッドに呑気に眠る、お嬢様。


まったく、遅刻しちゃうよ~。



「桜~!起きて!」


「……ん~」

返事はしたものの、くるりと丸くなりまた寝息をたてはじめる…。


可愛いからって寝かせないんだから~!



「さーくらー!おーきろー!!」


大声で叫ぶと…


「ハイっっ!…あ。翼、おはよ~」


やっと目を覚ましたお嬢様。



桜は、昔から寝坊助なんだよね~。


産まれた時から一緒だから、起こすのは簡単だけどね。




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