ホームレスな御曹司…!?
「近文…さん…?」


「ゴメン、知香」


耳元で囁くと、知香の体が小さく震えた。


「…っ…っ…。ごめんなさい…あんな事言って…。こんな気持ち、近文さんの重荷でしかないってわかってるんです…。でも…っ…っ…もう逃げたくなくて…。こんなあたし…やっぱりじゃまですよ、ね…」


そうじゃない。


違うんだ。


親父の前であんな事を言ってくれた知香が、オレに気づかせてくれたんだよ。


愛ってのは。


片方が想い募らせるばかりじゃダメで。


ちゃんと向き合ってこそ、重ねてこそ愛で。


じゃなきゃ、これはただの恋。


恋だけでなんて終わらせねぇよ、オレと知香は。
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